NEW ガンマ線遮蔽用ガラスPro-GR


 

新製品『Pro-GR』
日本電気硝子はPETのを開発しました。Pro-GRは、原子力施設向けの超高鉛ブロックガラスと同等の酸化鉛含有率約70%のガラス材質で作られており、従来のLX-57Bよりも高い放射線遮蔽能力を持っています。

当社では、新製品Pro-GRおよびLX-57BをPET診療施設のガンマ線遮蔽ガラスとして安全、適切にご使用いただくよう、ビルドアップ係数を考慮した実効線量透過率の計算を行い、鉛当量の設定をしました。

一次透過線と透過散乱線
下図のように、PET診療の環境下では、薬剤を投与された被験者からガンマ線があらゆる方向に放射され、その一部が遮蔽体(鉛、鉛ガラス、コンクリート等)をまっすぐぬける一次透過線、あるいは遮蔽体内部で散乱し方向を変えて出てくる散乱線として遮蔽体を透過します。PETでは0.511MeVという比較的高いエネルギーの放射線を用いるため、透過散乱線の量が相対的に多くなります。

一次透過線・透過散乱線のイメージ図


ビルトアップ係数
このため、遮蔽体を用いた遮蔽設計の際には、下記の式(1)で表される一次透過線だけでは不十分で、式(2)で表される透過散乱線も考慮した実効線量透過率を計算する必要があります。

(1)一次透過線量率の計算式
I=I0×e-μx I : 透過後の線量率 μ : 線減弱係数
I0 : 入射時の線量率 x : 遮蔽体の厚さ
(2)透過散乱線も加えた実効線量透過率の計算式
I=B×I0×e-μx B : ビルドアップ係数


式(2)において、B:ビルドアップ係数は透過散乱線による線量の増加分を表す係数で、常に1より大きく、遮蔽体の密度が低いほど、また、厚さが増すほど値が大きくなる傾向があります。ビルドアップ係数は線源および遮蔽体の材質、密度、厚さによって異なるため、鉛ガラスによるガンマ線の遮蔽計算を行なうには、線源に応じて使用する鉛ガラス固有の係数を求める必要があります。

Pro-GR、LX-57Bのガンマ線遮蔽性能
当社鉛ガラスPro-GRおよびLX-57Bの0.511MeVのガンマ線に対する遮蔽性能の計算では、モンテカルロ法を採用してそれぞれのガラスのビルドアップ係数を算出し、「放射線施設のしゃへい計算実務マニュアル2000」(財団法人原子力安全技術センター発行)に則って実効線量透過率の計算を行ないました。また、鉛当量の算出においても、下表のようにビルドアップ係数を考慮して計算した鉛の実効線量透過率とPro-GR、LX-57Bの実効線量透過率が等価になるようガラス板厚の設計をしました。


鉛の実効線量透過率と各鉛厚に対応するLX-57B、Pro-GRの板厚
【0.511MeVのガンマ線の場合】

LX-57B、Pro-GR
鉛厚(mm) 実効線量透過率(%) 左記実効線量透過率に
対応するガラス厚(mm)
該当製品
2 [1.10] 78.6 LX-57B 8.2 [1.19] LX-57B 9.0mm
3 [1.14] 69.0 LX-57B 12.0 [1.27] LX-57B 14.0mm
5 [1.21] 52.6 Pro-GR 14.2 [1.33] Pro-GR 14.7mm
7.5 [1.25] 36.0 Pro-GR  21.3 [1.45] Pro-GR 21.8mm
[ ]内青字は参考値で、鉛、LX-57B、Pro-GRのビルドアップ係数

Pro-GR製品データ
・ 最大サイズ 1000 x 1500 mm
・ 比重 5.20以上
・ 可視光透過率  83%
※特殊なガラス材質で製造されているためPro-GRガラス内部にはシード(微小な気泡)が点在しておりますが、放射線遮蔽性能には問題ありません。

ご参考:X線の実効線量透過率
0.2MeVのX線の場合、厚さ2mm、3mm、5mm、7.5mmの鉛の実効線量透過率はそれぞれ 11.8%、4.1%、0.48%、0.033%になります。


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