ZERØ®(ゼロ膨張ガラス)

ゼロ膨張ガラス「ZERØ」

身近なところから先端分野まで、
幅広く活躍している低膨張のガラス技術

「ガラスが膨張する」というと、ちょっと不思議な印象を受けるかもしれません。
しかし一般的なガラスは、ミクロンレベルで膨張します。
例えば、普通のガラスのコップに熱湯を注ぐと割れてしまいます。
これは、ガラスの内側と外側との温度差による膨張の差によって引き起こされる現象なのです。

日本電気硝子は、1962年に結晶化という技術を活かして、耐熱衝撃性や機械的強度、
電気的特性に優れた、ほとんど膨張しないガラス「低膨張結晶化ガラス」を開発。

ごくわずかな膨張が大きな影響を与える光学機器や光通信、液晶や半導体製造をはじめとした厳密な精度や精確性、
寸法安定性が求められる分野などの技術の進歩に貢献してきました。
また、この技術は、耐熱ガラス食器、IHやガス調理器のトッププレート、
トースターの電熱管や建築用の特定防火設備ガラスなど、生活の中にも広く応用されています。

現在では、この低膨張結晶化ガラスをさらに進化させた、熱膨張係数がゼロのガラスZERØ®の開発に成功しました。
今回は、この低膨張結晶化ガラスシリーズをご紹介します。

熱膨張係数ゼロを極めた
ZERØ®

既に多くの分野で実績のある高性能な低膨張結晶化ガラスをさらに進化させ、熱膨張係数をゼロにしたゼロ膨張ガラス ZERØ®は、周囲の温度変化に対して伸び縮みすることなく、寸法変動がほとんどありません。低膨張ガラスの最高峰の存在として次世代をつくるガラスです。

高精度が求められる分野の可能性を開拓

ZERØ®には板状とブロック状があります。光学部品や光通信用の高精度な基板、超精密スケールといった機械工具、これまで以上に温度変化に対する寸法安定性が求められる部品の材料などにさらなる精度をもたらし、かつてない製品や技術の開発を促します。さらにさまざまな形状に加工しやすいというガラスの特性を活かし、粉末や繊維形状にすることで他素材とのハイブリッド化も期待できます。例えば、樹脂と混合すれば樹脂の膨張をZERØ®が抑え、樹脂の低膨張化に貢献できます。名前はZERØ®ですが、可能性は無限です。

生活分野から先端分野まで広がる
低膨張結晶化ガラスの定番
<ネオセラム>

<ネオセラム>は日本電気硝子が半世紀ほど前に開発した超耐熱の低膨張結晶化ガラスです。優れた耐熱衝撃強度、機械的強度、硬度、電気的特性などを活かし、家電製品や調理器具といった身近な分野から光通信分野や半導体など超精密部品製造分野まで、世界中で広く用いられています。透明で赤外線をよく通す<ネオセラム N-0>と、白色で美しい光沢をもち、電磁波をよく通す<ネオセラム N-11>の2種類があります。

マイナスの膨張係数をもつセラミック基板<CERSAT>(セルサット)

「CERSAT」は、マイナスの膨張係数をもった単一基板材料です。熱で膨張する素材と組み合わせて、その膨張分を補完(相殺)する素材として使用されています。

幅広い分野で活躍する
「低膨張結晶化ガラス」使用事例

これからの生活や社会、そして産業に、低膨張結晶化ガラスでさらに貢献したい

私たちの低膨張結晶化ガラスは、発売から長い歴史をもち、その用途は多岐にわたっています。
そして、精密さや精確さ、寸法安定などが求められる先端分野において、これまで以上の厳密さや精度が必要とされていくことでしょう。
日本電気硝子は、ZERØ®を筆頭とする低膨張結晶化ガラスで、
生活の快適さや光通信網の安定、防火など生活や社会の安全、科学や最先端産業分野の進化など、
これからの成長分野も含め、幅広く世の中に貢献したいと考えています。

ZERØ®(ゼロ膨張ガラス) 製品情報