Dinorex®(化学強化専用ガラス)

化学強化専用ガラス Dinorex®

情報端末には欠かせない
「化学強化専用ガラス」

鉄球の落下実験の様子。

鉄球の落下実験の様子。鉄球が落ちても反発し、ガラスは割れません。

スマートフォンやタブレットは、今や当たり前の時代。
タッチパネル式の大型ディスプレイやパソコンも増え、さらには時計型やメガネ型などのウェアラブル端末が開発されるなど、
情報端末はどんどん進化し、私たちの暮らしを新しくしています。

これら端末の画面を守りつつ、指先でのスムーズな操作や、画像・映像を美しく見せるのに役立っているのがカバーガラスです。
落下による破損や、擦れによる傷などから大切な端末を守るために、より衝撃に強いカバーガラスが求められています。
日本電気硝子は、ディスプレイ等のカバーガラスとして「化学強化専用ガラス」を開発。既に、その用途は広がりはじめています。
今回は、この化学強化専用ガラスについてご紹介します。

化学強化専用ガラスを極める Dinorex® (ダイノレックス)

日本電気硝子は、既に化学強化専用ガラスを<T2X-1>という呼称で世に送り出しましたが、<T2Xシリーズ>の総称ブランドとして、誕生したのがDinorex® (ダイノレックス)です。

Dinorex®(ダイノレックス)とは?

「Dinosaur(恐竜)+Rex(ラテン語で「王」の意味)」を組み合わせた造語です。ワレやキズに対する本製品の「強さ・頑丈さ」を、最強の恐竜として知られるティラノサウルスのイメージに喩えました。

衝撃に強い化学強化専用ガラス Dinorex®のヒミツ

ところで、化学強化専用ガラスとはどのようなガラスなのでしょうか。少し専門的になりますが、化学の世界のお話にお付き合いください。ナトリウムイオン(Na+)を含んだガラスを、カリウムイオン(K+)を含む硝酸カリウム溶液に浸すことで、ガラスの表層部にあるNa+が、溶液中のより径の大きなK+と置き換わります(これを「イオン交換」と呼びます)。すると、ガラスの表面に圧縮応力※という力が生まれ、例えば、ハンマーで叩いても割れないほどに強靭なガラスとなるのです。

※圧縮応力とは

径の大きなK+が、径の小さなNa+と入れ替わってガラス表層に入れば、当然ギュウギュウづめになり、ガラス表面の体積は大きくなろうとします。でも、ガラス自体の体積は変化しないため、逆方向に表面を圧縮しようとする力が発生します。それが「圧縮応力」です。ガラス表面の割れ目(クラック)を広げようとする力(引っ張り応力)がかかっても、この圧縮応力により相殺されるため、クラックが進行しにくくなり、その結果割れにくくなるというわけです。

衝撃の映像はこちら

化学強化(イオン交換)のメカニズム

クラックの進行

無色透明。強さを進化させるDinorex®の特長

Dinorex®は、スマートフォンやタブレットをはじめ、これからの情報端末や機器に求められる数々の特長を備えた、先進のカバーガラスです。
衝撃に強いのはもちろん、限りなく無色透明に近いため、映像や画像の色調・画質にほとんど影響を与えず、その本来の美しさや精彩さを楽しめます。また、ガラスの厚さやサイズに幅広く対応できるのも特長です。

高い強度を追求したDinorex®

強化ガラスに求められる高い水準の「耐傷性能」や「耐衝撃性能」を持つDinorex®。化学強化のプロセス時間を約25%と大幅に短縮できる点も大きな特長です。

薄型・大型化を安定して実現するオーバーフロー法

Dinorex®の特長を生み出すオーバーフロー法

薄くて表面が平滑、さらに研磨を必要とせず、大型化を可能にする成形技術、それがオーバーフロー法です。化学強化した後もガラスの反りはほとんどありません。ガラスの薄型化、大型化に適した製法です。

コミュニケーションを豊かにするガラスを提供していきたい

日本電気硝子は、ガラスの持つ可能性を永年にわたり追求し、社会に貢献できる製品や技術を生み出してきました。
『透明/さまざまなサイズ・形状に加工が可能/水や空気、電気を通さない/化学的に安定している』など、
他の素材にはない特性を持つガラスは、時代が進むにつれ、ますますその用途が拡大しています。

スマートフォンやタブレットの登場は、コミュニケーションばかりか、暮らしや産業のあり方まで大きく変え、
そこに新たなガラスの用途が生まれました。しかし、技術革新に終わりはありません。
日本電気硝子は、Dinorex®をさらに高品質化し、画像・映像コミュニケーションに寄与するとともに、
ガラスの特長と機能を生かしたものづくりで、新たに生まれるご要望に的確にお応えしていきます。

Dinorex®(化学強化専用ガラス) 製品情報