環境環境のビジネスプラン
環境保全活動の具体的な取り組みと実績をご紹介します。
環境ビジネスプランは事業経営の手法を環境保全活動に応用した当社独自の活動です。2000年から取り組んで来ている「廃棄物」「水」に加えて、2021年から「エネルギー」についての活動をスタートさせました。これらの活動を通じて環境負荷の低減や温暖化対策に努めていきます。
効率的なエネルギー使用
当社はグローバルで製品の各製造工程における使用エネルギー量の可視化を行い、エネルギーの効率的な使用と無駄の削減を進めるエネルギービジネスプランの活動を開始しました。得られたデータは生産性改善のための解析と対策立案、効率の改善計画や原単位目標の策定に活用し、より効率的なエネルギー使用に取り組んでいます。
これらの活動を、電力比率向上や水素燃焼など新しい製造プロセス技術の導入と組み合わせて、当社のカーボンニュートラルの目標達成に向けた活動を進め、世界一の効率と世界一環境に優しいガラスづくりを目指していきます。
廃棄物の削減
廃棄物を通常の生産活動で発生する「通常廃棄物」とガラス溶融炉の定期的な修理等で発生する「大型工事廃棄物」に区分しています。それぞれをさらに次表のように4種に分類し、環境負荷の高い「埋立処分D」から順に優先順位を定めて削減を進めています。
通常廃棄物- 埋立処分Dは日常の発生を極限まで低減する取り組みとリサイクル化により、国内では2009年以降販売重量比0.1%以下を継続しています。一方、海外では2016年、2017年にイギリス、オランダ、アメリカのガラスファイバ事業部門を買収によりグループ会社とした結果、通常廃棄物が急増しました。今後は海外の通常廃棄物についても削減を推進していきます。
大型工事廃棄物- 埋立処分Dは主にガラス溶融炉の修理時に発生し、リサイクルできなかった廃レンガです。2017年にクロム(Cr)レンガとジルコニウム(Zr)レンガを耐火物メーカーで原料として再利用し、社会リサイクルB区分とする仕組みを構築しました。これにより特別管理廃棄物となるCrレンガの埋立処分量の削減にも大きく貢献しています。
水の削減
「モノづくりのレベルは水の使用量に表れる」との考えのもと、水を管理することで溶融、成形、加工などの製造プロセスのあり方の理解と技術・設備の完成度を高める活動を行っています。製品の販売重量に対する取水、排水量の推移をグラフに示します。2004年度以降、ブラウン管から液晶への急激な事業転換により原単位が増加しましたが、2014年度以降、液晶事業での利用効率の向上活動により、原単位の継続的な削減を進めています。
当社では貴重な水資源の取水量削減のため、大量に水を使用する溶融・成形プロセスでの冷却用途や、加工プロセスでの洗浄用途での繰り返し利用を推進しています。他の用途でも水の使用目的や要求品位に合わせたカスケード利用や浄化による循環利用により、取水量、排水量の削減を進めています。