温暖化対策・生物多様性

環境温暖化対策・生物多様性

地球環境保全につながる活動として、生物多様性への対応や省エネ・創エネなどの環境配慮型製品の供給や開発を行い、持続可能な社会に貢献できるよう取り組んでいます。

当社の温暖化対策

溶融に多くのエネルギーを使用するガラス製造業において、溶融炉から排出される温室効果ガス量の削減は重要な課題であり、最優先で対応を進めています。

酸素燃焼炉の導入

酸素燃焼炉は空気燃焼炉と異なり炉内に窒素を持ち込まないため排ガス(排熱)量が大幅に減少し、燃料使用量とCO2排出量が削減できます。さらに炉内での窒素の酸化によるサーマルNOxの発生も低減されます。

当社は1993年に日本で初めて酸素燃焼方式のガラス溶融炉を導入し、現在ではほぼ全ての炉への導入が完了しています。

ガラス溶融炉の燃料転換

CO2排出量のより少ない燃料への転換を進めてきました。当社は、20年以上前から積極的に天然ガスの使用を進めてきました。2010年に重油の使用を完全に廃止し、2020年には天然ガスの使用割合が99.7%に到達しています。

溶融エネルギーの電力比率向上

現在ガラス溶融にはガスと電力を用いています。電力について当社は、溶融ガラスに電極を挿入し、直接通電して加熱する方式を用いています。この加熱方式はエネルギー利用効率に優れ、燃焼ガスによる排熱も減らすことができます。将来、再生可能エネルギーの導入を進めることでCO2排出量の削減も行えるため、当社グループでは溶融工程に電気を取り入れたハイブリッド溶融炉への転換を進めています。

さらに、溶融に必要なエネルギーを全て電気でまかなう全電気溶融炉への転換に積極的に取り組むことで、将来のカーボンニュートラルへの対応を進めています。

生物多様性対応

企業の社会的責任として、事業活動を通じた地球環境保護などへの貢献が求められています。当社は自然との共生を大切な価値観として掲げ、環境負荷の低減に努めてきました。能登川事業場では事業活動に必要な場所以外はありのままの自然を残すという考えのもと、開設当時からの小川を残し、地元鈴鹿山系の潜在自然植生を生かした自然林を維持しています。また、事業場内の温室で育てた花苗を用いて、地域の緑化にも協力しています。

また、当社からの温室効果ガス排出削減だけでなく、地元の生産森林組合が行う整備作業へのボランティア参加や、琵琶湖の生態系を守るための外来魚駆除活動への参加も推進しています。これらの活動を通じて今後も生物多様性の保全に努めていきます。

潜在自然植生の緑道

滋賀県造林公社と「びわ湖・カーボンクレジット」パートナー協定を締結

当社は2021年3月に一般社団法人滋賀県造林公社(理事長:三日月大造氏(滋賀県知事))と「びわ湖・カーボンクレジット」パートナー協定を締結しました。「びわ湖・カーボンクレジット」とは、滋賀県が国のJ-クレジット制度を活用し、2021年にスタートさせたもので、省エネや再生可能エネルギーの活用を通じたCO2の削減量や、森林管理によって生み出されたCO2の吸収量をクレジットとして企業等に販売し「CO2ネットゼロ」につなげる仕組みです。クレジット取引で得られた資金は琵琶湖の水源である森林保全に活用され、これにより「CO2ネットゼロ」と琵琶湖の環境保全の好循環が生まれます。

当社での「J-クレジット」の購入は、2018年から継続購入している滋賀県栗東市の金勝(こんぜ)生産森林組合に続き、今回が2例目となります。当社は、県内で生み出されたクレジットを安定的に購入し、中長期にわたって地元滋賀県の森林保全活動を支援し、「CO2ネットゼロ」と琵琶湖の環境保全に貢献してまいります。