IH透明トッププレート国内トップシェア—— NEG「ステラシャイン」が切り拓く家電デザインと海外展開

2026.02.05
IH透明トッププレート国内トップシェア—— NEG「ステラシャイン」が切り拓く家電デザインと海外展開

火を使わない調理機器として普及してきたIHクッキングヒーター。環境省の調査によると、普及率は25.2%(IH以外の電気コンロを含む)で、家庭の約4軒に1軒が使用しています。近年、その姿は大きく変わりつつあります。

スマートキッチン化の流れを背景に、IHクッキングヒーターには洗練されたデザイン性と、スマート家電ならではの高機能性が求められるようになりました。その進化を可能にしている要素のひとつが、トッププレート(天板)に使用される超耐熱結晶化ガラスです。

トッププレートには、デザイン性と耐熱性・熱衝撃への強さから、国内ではほとんどの製品で超耐熱結晶化ガラスが採用されています。

NEG(日本電気硝子)の「StellaShine®(ステラシャイン)」は、トッププレート用透明結晶化ガラス市場において国内トップシェアブランドです。多くの調理家電メーカーがステラシャインを採用する背景には、NEG独自の「透明な結晶化ガラス」と「印刷技術」を組み合わせた製法があります。

なぜ多くの家電メーカーに選ばれているのか。この記事では、ステラシャインがもたらす家電デザインの変化と、次世代モデル「StellaShine® Mono」について紹介します。

IHヒーターの進化と、トッププレートに求められる“3つの顔”

IHクッキングヒーターは日常的に使う代表的な調理家電であり、「デザイン性」「機能性」「制御性能」のすべてが求められています。

1. キッチンの“印象”を決めるデザイン性

ステラシャインのカラーバリエーション
ステラシャインのカラーバリエーションのサンプル

トッププレートは、キッチン空間の「顔」となる存在です。従来のブラック一択から、現在ではシルバーやピンクなど明るい色も人気があります。

また、ツヤありやマットといった質感も選べるようになりました。ツヤのあるタイプは、表面に凹凸がなく滑らかで、光沢のある外観が特徴です。現代的で洗練された印象を与えます。
またマットタイプは、光沢を抑えた柔らかな質感で、落ち着いた雰囲気のキッチンに適しています。

タッチセンサーによるフラットな操作面も、デザイン性を高める重要な要素です。従来の押し込み式ボタンの突起がなくなることで、スマートでシンプルな外観が実現しました。

2. 表示と操作の“見やすさ”を高める機能性

最新のIHクッキングヒーターは、側面の操作パネルだけでなく、トッププレートのディスプレイ(液晶やLED)部分で設定を確認でき、さらにタッチセンサーによる操作や正確な温度管理を行えるモデルが増えています。

トッププレートのディスプレイ部分には、加熱状態や温度、時間などが表示され、調理状況がひと目でわかります。未使用時には表示が透過して目立たず、操作時にだけ表示が浮かび上がるモデルもあり、キッチン全体の外観を損なわない工夫が施されています。

操作面では、軽いタッチで反応する静電タッチ式が主流となり、操作性が向上しました。掃除においても、ボタンがなくなることで汚れを拭き取りやすく、手入れがより簡便になりました。

IHクッキングヒーターの例

3. 温度や加熱の“正確さ”を支える制御性能

ヒーターの加熱制御の精度が上がったことで、揚げ物や低温調理などの温度管理がより正確になりました。また、温度を検知して自動調整する「光火力センサー」を搭載したモデルも登場しています。

このように、IHクッキングヒーターは、従来のガスコンロの単なる代替品ではなく、そのニーズは多様化かつ高度化しています。

デザインと機能の両立──「ステラシャイン」が実現した価値

NEGの「StellaShine®(ステラシャイン)」は、優れた機能性と自由なデザイン性を可能にした調理器トッププレート用の超耐熱結晶化ガラスです。国内市場でトップシェアを占める人気シリーズです。

ピンクのステラシャイン
項目 特徴
デザイン性 ・独自のシルクスクリーン印刷技術で多様な色/パターンを実現
・光センサーやフルカラーLED、ディスプレイ部分の透過可能
・独自の表面加工技術による高級感ある仕上がり
機能性 ・汚れが落ちやすい表面加工
・ディスプレイの表示が見やすい透明結晶化ガラス
性能 ・耐熱性 800℃
・高い耐熱衝撃性(熱したガラスに水をかけても割れにくい)
・高い安全性
・環境負荷物質の不使用(ヒ素・アンチモンフリー)

ステラシャインは、IHクッキングヒーターに求められる「デザイン」「機能性」「性能」の各面で高い評価を得てきました。単なるトッププレートガラスにとどまらず、付加価値の高いUI/UX設計を支える素材として活用されています。

UI/UX設計とは:ユーザーが製品やサービスを利用する際の操作性(UI:ユーザーインターフェース)と、その過程で得られる体験全体(UX:ユーザーエクスペリエンス)を設計すること。

更なる普及に向けて——表示性能とコストのバランスを追求した新製品

一方、世界市場で普及しているトッププレートガラスは従来の「黒色結晶化ガラス(黒い塗料を混ぜ込んだガラス)」です。これはコストが低いことが主な理由です。ステラシャインは、多層印刷による美しさやカラーバリエーションを実現した一方で、工程数が多く、コスト面で課題がありました。

その課題を解決するために開発されたのが「StellaShine® Mono(ステラシャイン・モノ)」です。

StellaShine® Monoの製品例
StellaShine® Monoの製品例

ステラシャイン・モノは、ステラシャインの基盤技術である透明な結晶化ガラスに、特殊塗料を用いた高級感のあるピュアブラックの1色を印刷したモデルです。これにより、加工および印刷工程を簡素化でき、ガラストッププレートの表示性能とコストとのバランスの両立に成功しました。

従来のステラシャインと同様に、光センサーやフルカラーLEDおよび液晶ディスプレイの箇所だけを透過させることが可能であり、調理家電のスマート化にも対応できる強みはそのまま継承されています。

海外市場へ。「見せる家電」で挑む

NEGは、表示性能とコストの両立を実現した「ステラシャイン・モノ」を軸に、海外メーカーへ供給拡大を進めています。

世界のスマートキッチン市場は、年平均16.3%で成長し、2033年までに760億ドル規模に達すると予測されています(Spherical Insights & Consulting調べ)。海外市場においても、液晶タッチパネルやIRセンサー、リモートコントロールなどの導入により、調理家電のスマート化、高機能化が進んでいます。

NEGは、調理家電メーカーの細かなニーズに応えながら国内でのシェア拡大に成功してきました。ステラシャイン・モノの優位性に加え、海外の家電メーカーのニーズに対応することで海外市場に挑戦していきます。

ガラスがつなぐ、家電の未来

日々何気なく使っているIHクッキングヒーター。そのトッププレートには、NEGの技術が息づいています。ディスプレイやタッチ操作を支える素材として、トッププレートは家電の姿を変える重要な役割を担い始めています。

「この体験をもっと海外の人にも味わってほしい」そんな思いで、コストと性能を両立した高機能ガラストッププレート「StellaShine® Mono」を開発しました。海外家電メーカーのニーズに対応し、国内での成功を海外市場にも広げていきます。

今後もステラシャインシリーズは、デザイン性・機能性・性能を軸に、「使いやすさ」と「見た目の美しさ」の両立を追求していきます。

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