折りたたみスマホ市場を切り拓け、中国メーカーへの展開に挑む営業の挑戦
今私たちの生活になくてはならない存在のスマートフォン。そういったモバイル端末は、日本人の約9割が所有※していると言われています。最近では画面を折りたためるスマートフォンも登場し、普及が進んでいます。
※国民生活におけるデジタル活用の動向
こうした折りたためる画面は、従来の樹脂製のものから曲がるほど薄い特殊なガラスに置き換わっています。その一つがNEGの超薄板ガラス「Dinorex UTG®」です。2024年にはモトローラ製品に初めて採用され、大きな一歩を刻みました。今回は、中国市場でDinorex UTG®の拡販に挑む営業担当・森本 大地さんに市場開拓の秘話と今後の展望を伺いました。
サプライチェーンの中で決定権を持つメーカーを探りアタック
―森本さんの営業担当領域と業務内容を教えてください。現在はどのような製品を担当され、どんな業務をされているのですか?
森本さん「NEGの化学強化専用ガラスDinorex®をはじめ、超薄板ガラス(G-Leaf®・DinorexUTG®)の営業を担当しています。その中でもDinorexUTG®は中国がメイン市場の一つであるため、その開拓が私のミッションになります。
流通は現地代理店を通じて行うので、代理店と定期的に打ち合わせをしたり、お客さま先に同行訪問したりするのが主な業務です。
現在はスマートフォン向けが販売のボリュームゾーンになりますが、我々のビジネスは一概にスマートフォンメーカーだけをターゲットに動けば良いというものではありません。サプライチェーンの中には、ディスプレイメーカーやガラスに化学強化加工を施すメーカーがあり、どこが採用の決定権を持っているかは、それぞれのサプライチェーンごと、あるいはスマートフォンのモデルごとに変わります。代理店とは常に情報交換を行い、モデルごとに販売戦略を練り直すといった細かな対応をしています。」
採用の決め手となった技術、信頼、そして“達成への執念”
—スマートフォン向けの販路開拓での課題は何でしょうか?
森本さん「まず、スマートフォンの台数は、世界に12 ~ 13億台ほど出回っており、頭打ちになっているといわれています。メーカーとして、今後はいかに消費者に買い替えを促すかが重要で、目新しい機能を付加する戦略が進められています。折りたためるスマートフォンもその一つで、重要な開発アイテムになっています。」
—この度、Dinorex UTG®がスマートフォンのカバーガラスに採用されたと伺いました。
森本さん「はい。2024 年に初めて、Dinorex UTG®がモトローラ社の製品に採用されました。当社の製造技術や長年愛されてきたDinorex®ブランドが評価されての採用ですが、競合各社の中で採用を勝ち取れた時は嬉しかったですね。営業活動を本格化してから苦しい時期も長かっただけに、その日飲んだビールは本当に美味しかったです(笑)。私自身、成果が目に見える形の営業をしたいと思い転職したので、まさに営業の醍醐味を感じた瞬間でした。
こうした業務を進める中で改めて感じたのは、当社メンバーの“達成への執念 ”です。量産が始まってから一度生産トラブルがあり、営業の立場として納期の延長を考えたことがあるのですが、難しい状況の中しっかり間に合わせてくれました。また、どの部署も営業からの要望に即座に対応してくれます。自分の仕事の範疇ではなく、お客さまの方を向いて仕事をしてくれている姿勢は本当に心強いです。
昨年度、新たなモデルでの採用が決まったのも、NEGとして総力を挙げて取り組んでくれたおかげだと感謝しています。」
目標は中国メーカー折りたたみスマホモデルでのシェア100%
—今回の成果を経て次の挑戦は何でしょうか?
森本さん「Dinorex UTG®としては、事業として始まったばかりなので、いくつか課題があります。一つは開発のスピード。他社はお客さまのニーズを先回りして新素材を開発しています。営業としてはお客さまの困りごとを先回りして捉え、その解決策を、ガラスの観点からスピーディーに提案できる形にしていきたいと思っています。
もう一つは中国におけるフィールド体制の構築です。新素材も含め、実際にガラスを加工すると様々なトラブルが起こります。現在は、製品を日本に送って対応していますが、それだとどうしてもタイムラグができてしまいます。他社同様に、現地でフォローできる体制の構築は急務だと考えています。2点とも現在対応を進めているところであり、これらが確立できれば、この事業はさらに伸びると確信しています。」
—今後の意気込みを教えてください。
森本さん「我々の製品は、今日明日に成果が見えるものではなく、年単位でようやく花が咲くビジネスです。それだけに開拓にあたっては、私自身も “達成への執念 ”を改めて胸に刻み、根気強く進めていかなければならないと思っています。目標は、中国メーカー折りたたみスマホモデルでのシェア100%獲得。NEGには、それを実現できる力があると思っています。」
インタビューした社員
ディスプレイ事業本部 ディスプレイ営業統括部 営業部 森本 大地さん
2019年キャリア採用。成果が目に見える分野でグローバルに活躍したいという思いから、金融業界より転職。入社後はディスプレイ営業統括部に配属され、NEGの化学強化専用ガラスや超薄板ガラスなどの販売を担当。