低誘電ガラスファイバ「D2ファイバ」の販売を開始

日本電気硝子株式会社（本社：滋賀県大津市、社長：岸本暁、以下NEG）は、AIサーバーやデータセンターにおける高速・大容量通信を支える最先端半導体に不可欠な材料となる、低誘電ガラスファイバ「D2ファイバ」を開発し、販売を開始します。D2ファイバは、通信ロス（伝送損失）や消費電力を大幅に低減することに貢献します。

AIの普及に伴い、AIサーバーやデータセンター向けの高速・大容量通信を支える基板材料への需要は急速に拡大しており、供給能力の強化が喫緊の課題となっています。NEGは市場からの強い要請を受けて低誘電ガラスファイバ「D2ファイバ」の開発に着手し、長年培ってきたガラス組成の知見を活かし、この度、販売を開始しました。
当社はすでに、成長著しい高性能半導体関連分野に多くの特殊ガラス製品を供給しており、ガラスファイバにおいても本市場に製品を提供することで、多面的に旺盛な需要に応えてまいります。

NEGのD2ファイバは「第2世代」と呼ばれる低誘電ガラスファイバの中で世界一（当社調べ）となる誘電正接0.0017tanδ（@10GHz）を実現し、以下の特長を持ちます。

・低誘電特性（低誘電正接）
信号の伝送損失を抑え、通信の高速化・大容量化を実現。AIサーバーやデータセンターの性能向上に貢献します。

・発熱抑制と省エネ
通信ロスによる熱発生を低減し、冷却負荷や消費電力を抑制。膨大な電力を消費するAIインフラにおいて持続可能な運用を支援します。

AIサーバー用マザーボード、高周波通信機器用基板、半導体パッケージ基板など

_{D2ファイバの使用箇所}

D2ファイバはヤーンとしてお客様となるガラスクロス加工メーカーへの安定供給を行い、グローバルに広がる需要に対応します。既にお客様において製品評価を完了しており、今後はお客様と連携しながら市場展開を進めていきます。また、市場動向を見極めながら更なる低誘電ガラスファイバや低膨張ガラスファイバの開発を推進していきます。
D2ファイバは2025年12月17日（水）～19日（金）に東京ビッグサイトで開催される「セミコンジャパン2025」にブースNo. E5432（東5ホール）にて出展予定です。

ヤーン
繊維を撚り合わせて作られた糸の総称で、綿、絹、ウール（羊毛）、ナイロンなどの素材で作られたヤーンは、編み物や織物に使用される。ガラスで作られたヤーンは、ガラス素材を溶融し、極細のモノフィラメントにした後、撚りをかけて糸状にしたもので、プリント配線基板の素材などに使用される。

D2ファイバ
「Dielectric（誘電体）」に由来。汎用のプリント配線基板用途で使用されるEガラスファイバよりさらに誘電正接が低く信号損失を抑える。D2は、この「D」と第2世代を組み合わせたものを意味する。

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