“全固体電池”オール酸化物全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池

全固体電池 オール酸化物全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池

※本記事は、2022年3月16日~18日に東京ビックサイトにて開催された二次電池展(バッテリー ジャパン)2022で発表した内容を要約したものです。掲載内容は2022年3月現在の情報になります。最新の開発状況・製品に関するお問い合わせはお手数ですが、ページ下部のお問合せフォームより送信してください。

全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池の特長

オール酸化物の全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池は、小型・大型、特殊・汎用など幅広い用途を想定した全固体二次電池です。出力電圧は、現行のリチウムイオン二次電池に匹敵する3Vです。「オール酸化物」という名のとおり、安定な物質である酸化物材料で構成された固体電池です。正極・負極には結晶化ガラス、固体電解質には酸化物のセラミックスを使用しています。これらの主成分は、資源量の豊富なナトリウム・鉄・リンであり、レアメタルを含んでいません。集電体に重くて高価なCu箔を使用せず、軽くて安価なアルミニウムを使用していることも特長です。

採用のメリット

  • 1

    オール酸化物のため、
    発火や有毒ガス発生のおそれがない

  • 2

    低温(-60℃)から高温(120℃)まで
    安定して作動する

  • 3

    付帯設備が不要で、
    電池パックの構造を簡素化できる

全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池の構造 イラスト

全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池の構造


当社の技術優位性について

ガラスは加熱すると粘度が下がり、ガラス特有の軟化流動挙動を示します。この特性とガラスが元来保有する気密性とを活かし、電子部品の封着や接着材料に多くのガラス材料が利用されています。さらに高い温度まで昇温するとエネルギー状態としてより安定な結晶構造へと原子の再配列が起こる、いわゆる結晶化が起こります。この特殊ガラスの性質を利用し、固体電解質と電極を一体化することでイオン伝導パスを形成しています。 日本電気硝子の結晶化技術についてはこちらを参照ください。

ガラスの軟化流動性とガラス結晶化を活かして
固体電解質と電極を一体化する

全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池の構造 イラスト

主な性質について

1
優れた安全性 発火や有毒ガス発生のおそれがない

全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池は、全ての電池材料が無機酸化物で構成されています。そのため、充電状態で釘やナイフが刺さっても発火や有毒ガス発生のおそれがありません。つまり、使用中・製造工程で優れた安全性を維持でき、リサイクルの際も安全に取り扱うことができます。

安全性試験(釘刺し試験)

2
広い作動温度 作動温度範囲 -60℃〜120℃

全固体ナトリウム(Na)電極にガラスを使用。ガラスの軟化流動性を使用し電極と固体電解質を一体化することで高いイオン伝導性を実現しています。これにより、低温-60℃から高温120℃まで幅広い温度域で作動できます。

全固体電池 作動テスト 低温時

全固体電池 作動テスト 高温時

3
構造の簡素化 無拘束+自由なアレンジ+冷却・安全機構不要

全固体ナトリウム(Na)正極・固体電解質・負極が一体化した全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池の蓄電素子は、無拘束でも電池として作動します。蓄電素子を複数配列しサイズ・直列/並列等を自由に調整ができます。このため、用途に応じた電池設計が容易です。
また、電池を大型化する上で課題となる「冷却」や「安全のための付帯設備」、「加圧機構・拘束機構」が不要なため、ラミネートによるモジュール化・パック化が可能で、パック構造の簡素化が期待できます。

無拘束で作動

蓄電素子(単セル) 構成例


用途例

小型・大型、特殊・汎用など幅広い用途を想定して開発しています。

  • 自動車・輸送用機器(EV・鉄道・船舶・航空機、等)
  • 農業用機械、建設系機械、産業用機械
  • 発電所内の蓄電システム、定置型蓄電池システム、家庭用蓄電池、等
  • 情報通信機器・家電(スマートフォン、タブレット端末、PC、 ウエアラブルデバイス、等)

全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池を搭載した
お掃除ロボット作動展示

アプリケーション
ルンバ(お掃除ロボット)
電池仕様
電池容量(Ah)/パック 2
蓄電素子数/パック 200
電圧(V)/パック 3
パック数量 10
電圧(V) 15

全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池これまでの取り組み

2017

室温駆動に成功

正極に結晶化ガラスを用いた全固体Naイオン二次電池の室温駆動に成功※1

※1 結晶化ガラスを正極材に用いた例として 2017年11月時点(当社調べ)

2019

低温駆動(0℃)に成功

電池内部の電気抵抗を大幅に低減し、低温環境を想定した条件下での電池駆動に成功しました。

2020

論文がScientific Reportsに掲載

開発の成果をまとめた論文がNature Research社のScientific Reportsに掲載され、2020年に最も多くダウンロードされた論文のトップ3に選出されました。

2021

オール酸化物電池の開発に成功

新たに結晶化ガラスを用いた負極材を開発し、オール酸化物の全固体ナトリウムイオン二次電池の駆動に世界で初めて成功しました。※2

※2 2021年11月時点(当社調べ)


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