超耐熱結晶化ガラス

ネオセラム

800℃からの急冷にも割れない!

その優れた耐熱衝撃性が、暮らしを支える。

バーナーの炎で熱したガラスに冷水をかけると、普通はすぐに割れてしまいますよね。
それは、ガラス内で温度の違いによる急激な膨張差が瞬時に起こり、目に見えない小さな傷から亀裂が入るためです。

しかし、日本電気硝子には、800℃もの高温に熱した直後に冷水をかけても割れない、驚きのガラスがあります。
ガス/IH調理器のトッププレートや薪ストーブの前面窓など、日常のさまざまな分野で既に採用されています。
また、その優れた耐熱衝撃性能を活かし、防火ガラス用として、小・中学校やショッピングモール、公共施設での採用が増えています。

今回は、そんな超耐熱結晶化ガラスをご紹介します。

熱膨張係数がゼロに近い超耐熱結晶化ガラス

特殊組成のガラスを再加熱してガラス中に微細結晶を均一に析出させることで開発された超耐熱結晶化ガラス。結晶部分がマイナス、あるいは極めて小さい膨張係数であるため、結晶部分とガラス部分が互いに打ち消し合い、膨張率ほぼゼロを実現します。その性質が、急熱急冷に割れない耐熱衝撃性を生み出したのです。
この結晶化技術は1950年代後半にはすでに確立されていましたが、日本電気硝子も1962年に超耐熱結晶化ガラス を誕生させました。その後、工業材料分野への用途拡大を他社に先駆けて実現。ガラスの組成や熱処理を変えるという独自の技術から生まれた超耐熱結晶化ガラスは、その後も応用分野を拡大し、現在に至るまでさまざまな分野で活躍しています。

当社の超耐熱結晶化ガラスには、透明で赤外線をよく通す<N-0>と、白色で美しい光沢をもち、電磁波をよく通す<N-11>の2種類があります。

調理器トッププレート用として実績を誇る StellaShine(ステラシャイン)

その優れた耐熱衝撃性と、反復加熱に対する耐性を兼ね備えたStellaShine。IHやガスコンロなどの調理器トッププレートに最適なガラスとして30年以上の実績をもち、国内シェアも約8割を誇るなど高い支持を得ています。尚、ヒ素やアンチモンなどの環境負荷物質を一切使用しない、エコフレンドリーなガラスでもあります。

火災時の高熱、放水による急冷に耐えるファイアライト®

日本電気硝子の超耐熱結晶化ガラスは、火災被害を最小限に抑えるという重要な役割を担う防火ガラスとしても高く評価されています。
火災時の高熱に耐え、スプリンクラーや放水などによる急冷にも破壊しない、防火ガラスに最適なファイアライト®や、そのファイアライト®2枚を特殊樹脂で貼り合わせることで、その優れた「耐熱衝撃性」に、衝突などの衝撃に強い「衝撃安全性」を加えたファイアライトプラス®などがあります。
特に、合わせガラスのファイアライトプラス®は、万が一、人や物が衝突して割れても破片の飛散や落下、脱落の心配がほとんどありません。人々の防災意識が高まる中、『火災にも震災にも強い防災ガラス』として社会的な期待が寄せられており、教育施設をはじめ、不特定多数の人が集まる公共施設や駅、ショッピングモールなどで採用されています。

ファイアライト®は、東京消防庁の火災実験にも採用され、高い防火性能を実証。

新宿南口の交通ターミナル「バスタ新宿」に採用。

人々の安心を守りつつ、産業の進歩にも貢献

超耐熱結晶化ガラスは身近な生活の中で幅広く応用されています。そして、結晶化ガラスを生む私たちの技術は、わずかな膨張でも大きな影響を与える光学機器や光通信、液晶や半導体製造をはじめとする、精確性・寸法安定性が求められる分野の技術進歩にも貢献。
これからも日本電気硝子は、超耐熱結晶化ガラスの可能性を追求していきたいと考えています。