レーザー改質・エッチング加工用およびCO₂レーザー加工用の大型TGVガラスコア基板を開発
~無機コア基板ビジネスの本格展開に向け、ラインナップを拡充~
日本電気硝子株式会社(本社:滋賀県大津市、社長:岸本暁)は、次世代半導体パッケージ向け基板材料として、レーザー改質・エッチング加工※1に対応した大型TGV(Through Glass Vias)※2ガラスコア基板と、CO₂レーザー加工に対応した大型TGVガラスコア基板を新たに開発しました。このうち、レーザー改質・エッチング加工対応品についてはサンプル提供を開始し、自社設備でTGV加工を施した515×510mmサイズの基板と、未加工(TGV加工なし)の原板の2種類を用意します。
今回の開発により、当社は無機コア基板(GCコア®、ガラスコア)のラインナップをさらに拡充し、多様化する顧客ニーズに全方位で応えてまいります。


※1 レーザー改質・エッチング:レーザー照射によりガラスにビア状の「改質部」を形成した後で薬液処理を行う加工方法。この改質部が薬液に対して選択的に反応するため、微細なビア加工が可能になる。
※2 TGV(Through Glass Vias):ガラス基板に形成される微細な貫通穴(微細貫通穴、ビアと同義)。コア基板では主に電気的接続を目的として使用される。
開発の背景
AI技術の進化やデータセンターの拡大により、半導体はますます高性能・高密度化が求められています。チップレット技術※3の普及とパッケージ基板※4の大型化により、平坦性・高絶縁性・高剛性を兼ね備えた無機コア基板のニーズが高まっています。
当社は世界トップクラスの特殊ガラスメーカーとして、無機コア基板分野に注力し、先端材料の開発を進めてまいりました。これまで、CO₂レーザーによるビア加工を施したGCコア®やガラスコア基板を独自に開発し、多くのお問い合わせをいただいております。
一方、レーザー改質・エッチングによるTGV加工のニーズも増加しており、当社では2020年より、ガラス材料の開発とサンプル提供にも取り組んできました。今回、レーザー改質・エッチングに最適な新材質を開発するとともに、TGV付きガラスコア基板の大型サイズ(515×510mm)のサンプル提供体制を整備しました。レーザー改質・エッチング加工およびCO₂レーザー加工の双方に対応する製品を揃えることで、今後の多様な市場ニーズに柔軟かつ迅速に対応できる体制を構築しています。
※3: チップレット技術:従来の単一チップ構成に代わり、複数の小型チップ(チップレット)を1つのパッケージ内に集積して高性能化・柔軟性を実現する半導体実装技術。
※4: パッケージ基板:半導体チップと電子回路基板との間を接続する中間基板。電気的接続や熱拡散、機械的支持などを担う。
今後の展望
当社は、2024年に発表したCO₂レーザー対応の無機コア基板の開発を引き続き推進し、2028年の量産開始を目指しています。また今回のレーザー改質・エッチング対応基板の提供開始を機に、さらなる顧客評価を得て、無機コア基板市場でのプレゼンス強化を図ってまいります。
出展予定
今回開発した無機コア基板は「電子機器トータルソリューション展2025(JPCA Show 2025)」に出展予定です。
展⽰会名:電子機器トータルソリューション展2025(JPCA Show 2025)
会 期:2025年6⽉4⽇(水)〜6⽉6⽇(金)
会 場:東京ビックサイト
⼩間番号:7F-03
展⽰会招待券(無料)の申込みサイト: https://f-vr.jp/jpca/jpca25/
CO2レーザー加工とレーザー改質・エッチングの比較
TGV加工方式 |
特徴 |
メリット |
CO2レーザー加工 |
レーザーで直接ガラスにビア形成 |
工程短縮、高速加工、PCB用※5レーザー加工機での対応が可能 |
レーザー改質・エッチング |
レーザー照射でガラスを改質し、薬液エッチングでビア形成 |
小孔径・狭ピッチTGVへの対応 エッチング加工面に傷が残りにくい |
※5 PCB:プリント基板
無機コア基板(GCコア®、ガラスコア基板)製品ページ
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