研究開発体制

当社グループでは、研究開発部門と製造部門が密接に連携をとりながら製品開発とプロセス開発を行っています。また、研究開発活動を支援するため、企業戦略部が中長期の事業戦略の企画立案を、マーケティング部が市場、製品、技術に係る情報の収集や分析、製品や技術のプロモーション、顧客獲得のための情報発信等を、知的財産部が知的財産の調査、権利化、活用等を担っています。計算科学(ICTやAI等を活用したデータ解析を含む)を用いるとともに、特定の領域で高い専門知識や技術を有する国内外の大学や研究機関、企業との共創を推進することで、開発の強化を図っています。

研究開発部門

基盤技術部、研究開発本部、プロセス技術本部があります。基盤技術部は、ガラスの基礎研究(ガラス構造解析、強度、高温融体等)に取り組んでいます。研究開発本部およびプロセス技術本部は、科学的なアプローチに基づき、材料ならびにプロセスの設計や開発、特性評価を行っています。また、これらのコア技術をベースに、ガラスの特徴を最大限に活かしてより高い機能を引き出し、中長期にわたり社会や産業界のニーズに応える次世代ガラスによる新製品を創出していきます。

製造部門

各事業分野の発展につながる製品および製造プロセス技術の研究開発を、研究開発部門と密接に連携をとりながら行っています。製造プロセス技術の維持や改善、その技術を活かしたガラスの高機能化を主たる目的に取り組みを行っています。

研究開発体制図
図:研究開発体制図

コア技術の開発・改良

ガラスの基礎物性や新プロセスの研究に基づく材料設計、シミュレーションや溶融清澄機構の研究などによる製造プロセス技術、高度な分析・測定・解析技術を用いた評価技術の開発を行っています。

製品設計、プロセス設計

求められる製品の特性や用途に合わせ、コア技術を駆使した製品設計とプロセス設計を行っています。

プロセス開発

2050年までのカーボンニュートラルの達成に資する、全電気溶融の全社的水平展開、水素-酸素バーナーを用いた燃焼技術によるガラス溶融の実証等CO2フリー燃料の技術開発や再生可能エネルギーの活用等を推進しています。そのほか、特殊な熱源による曲面成形やレーザー光を利用した精密加工など、ガラスの可能性を広げる加工技術開発を行っています。

新製品と将来事業の創出

従来にはない特性を有するガラスを新製品の創出に繋げる研究開発および「EGP2028」に掲げるエネルギー、医療、環境、食料分野での将来事業の創出に繋げる研究開発を行っています。

取り組み事例

  • 低膨張から高膨張まで幅広いラインナップを揃えた高精度な半導体用サポートガラス
  • 世界最高性能の赤外線透過ガラスによる明るく鮮明な画像創出に貢献する赤外線用レンズ
  • 従来材料の約2倍の磁気光学特性を有するガラスを用いた高性能な光アイソレーター
  • 電池の主部材すべてに結晶化ガラスを用いたオール酸化物全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池
  • ダイヤモンドに匹敵する輝きとダイヤモンドを超えるファイアを併せ持つ宝飾ガラスinfiora®
半導体用サポートガラス
赤外線透過レンズ
光アイソレーター
全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池
宝飾ガラスinfiora®

研究開発拠点

当社では、国内3ヶ所に設置しているP&P技術センターを中心に製造部門と連携し研究開発を行っています。「P&P」とは、Process(工程)×Product(製品)の頭文字で、「新しい技術やプロセスの開発を大切にし、それらの蓄積が製品の品質に反映する」という技術開発の理念を込めています。

P&P技術センター大津
P&P技術センター高月
P&P技術センター能登川