医療
人々が健康的な生活を送るうえで、医療技術の進歩は大きな役割を果たしてきました。高度な医療技術に関わる製品には高い安全性や信頼性が求められます。当社は、長年、厳しい品質管理が要求される医療分野に使用されるガラス製品を開発・製造・供給してきました。そして今日、放射線を用いた診療時に医療従事者を放射線被ばくから守るガラスや、医薬品の劣化や変質のリスクを抑制する医薬容器用管ガラスを供給しています。
アプリケーション
X線検査
CT(コンピューター断層撮影)やPET(陽電子放出断層撮影)装置などによる診療を行う高度医療の現場では、迅速で正確な診断はもちろん、何人もの患者を診断する医療従事者を被ばくから守ることが必要です。
当社の放射線遮蔽用ガラスは、優れた放射線遮蔽性能で医療従事者を放射線被ばくから防護するだけでなく、高い透明性で正確で迅速な診断に寄与する、「安全性」と「正確性」を求める医療現場の声に応える高機能ガラスです。
代表的な製品であるLXプレミアムは、JIS認証の放射線遮蔽用鉛ガラス(LX-57B)と安全フィルム、特殊カバーガラスを合わせた多層構造のガラスで、衝撃に強いうえ、水ぶきや薬品飛散などによるくもりが発生しません。日常のメンテナンス負荷も低減しながら、正確な診断と医療従事者の放射線被ばく軽減に貢献します。
放射線を使用した診療や治療、強い線源を用いる撮影装置が登場するなど、医学的な研究はますます盛んになり、進化し続けています。当社は放射線遮蔽用ガラスを通じて、医療技術の発展に貢献しています。
放射線遮蔽用鉛ガラス:LX-57B
放射線遮蔽性能に優れ、医療用、工業用、研究所用、さらには原子力産業用と、広範囲な分野で使用され、高い評価を得ています。X線テレビ室、X線CT室、アンギオ室などの監視・操作窓に大型サイズのLX-57Bを使うことで、視野が広がり、操作性の向上に大きく寄与します。放射線防護衝立:LX防護衝立
カバーガラス付き放射線遮蔽用鉛ガラス(LXプレミアム)を使用した移動式の防護衝立です。その優れた放射線遮蔽性能と取り扱いの手軽さで、多くの病院・医院などで幅広く使われ、高い評価を得ています。医療に従事する人々を放射線から防護するとともにその透明度の高いガラスを通して良好な視野が得られるため、正確で迅速な診断に寄与します。カバーガラス付き放射線遮蔽用鉛ガラス:LXプレミアム
優れた放射線遮蔽性能を持つ放射線遮蔽用鉛ガラス(LX-57B)と特殊カバーガラスを貼り合わせた多層構造のガラスで、薬品の飛散や水拭きなどによるくもり(ヤケ)が発生しません。衝撃安全性にも優れています。滅菌消毒が必要なX線撮影室や薬品が飛散しやすい血管撮影室の操作室窓のほか、人が頻繁に出入りする扉の窓に適しています。医薬容器
新たな医療技術を提供するためには、医療機器や治療法に加えて医薬品の開発も必要です。さまざまな医薬品の開発が進んでいますが、高い効果・効能を有する一方で、劣化や変質のリスクが高いものもあります。
このような医薬品の保護に不可欠なのが医薬容器です。適切な医薬容器を用いることで医薬品の劣化や変質のリスクを最小限に抑えることができます。その結果、医薬品の輸送や保存が可能になり、医薬品を必要とする人々が最適な治療を受けられるようになります。このように、医薬容器も新たな医療技術の提供や人々の健康的な生活に貢献しています。
当社の医薬容器用管ガラスは化学的耐久性や紫外線遮蔽性能などに優れ、医薬容器との反応や紫外線による医薬品の劣化や変質のリスクを抑制できます。アンプルやバイアル、シリンジなどの医薬容器に加工することもでき、さまざまな医薬品の容器として用いることができます。
医薬容器の規格である日本薬局方はもちろんのこと、米国、欧州薬局方での規格にも適合しており、世界中の医療現場で用いられています。
近年ではAIを使った創薬なども進んでおり、新たな医薬品の開発や医療技術の発展が加速することが期待されています。当社は医薬容器用管ガラスの提供を通じて医療技術の発展に貢献しています。
医薬容器用管ガラス:BS
化学的耐久性や耐熱性、耐衝撃性に優れた透明なホウ珪酸ガラスで、アンプルやバイアル、シリンジなどの医薬容器や試験管などの理化学容器に使用されています。日本薬局方だけでなく、米国、欧州薬局方で規定された医薬品用ガラス容器としての規格を満たすガラス材料(タイプⅠ)で、管端を閉じた封止管の供給も可能です。