住設・建材
ガラスのコップに熱湯を注ぐと割れてしまうように、ガラスは一般的に「急激な温度変化に弱い」という弱点を持っています。
しかし、当社の「超耐熱結晶化ガラス」は800℃もの高温に熱した直後に冷水をかけても割れません。この特長を耐熱衝撃性と言います。
結晶化ガラスはガラスと結晶の複合体です。元来ガラスは非晶質で結晶を持ちませんが、特殊組成のガラスを再加熱すると、ガラス内部に結晶を均一に析出させることができます。これにより、従来のガラスにはなかった特性が備わります。その中の一つが、急激な温度変化(サーマルショック)に対する強さです。結晶部分の膨張係数がマイナスあるいはきわめて低いため、ガラス部分のプラスの膨張を打ち消し、熱膨張率ほぼゼロを実現します。
当社の「超耐熱結晶化ガラス」は、IHやガスコンロなどの調理器のトッププレートや、学校やショッピングモールの防火窓など、私たちの身のまわりのさまざまな場所で使用され、人々の暮らしと安全を支えています。
アプリケーション
調理器トッププレート
キッチンに彩りや機能性を付与するガラス、調理器トッププレート用結晶化ガラス:StellaShine®
耐熱衝撃性に優れ、かつ反復加熱にも耐えることができる超耐熱結晶化ガラスは、IHクッキングヒーターやガスコンロなどの調理器のトッププレートに最適です。調理器トッププレート用結晶化ガラス:StellaShine®は、トッププレート用のガラスとして30年以上の実績を持ち、国内シェアも60%強※を誇るなど高い支持を得ています。調理中の吹きこぼれなどによりガラスが急冷されても割れにくく、安全に使用できます。機能性のみならず、高級感や華やかさのある見た目も特長で、キッチンの雰囲気に合わせたカラーや質感のガラスを供給可能です。また、StellaShine®はヒ素やアンチモンといった環境負荷物質を一切含んでいない、エコフレンドリーなガラスです。
※2023年日本国内のビルトインタイプの調理器に使われたガラストッププレートのシェア、当社調べ
防火窓
火災時の「安全」と「安心」を確保するガラス、ファイアライト®
当社の超耐熱結晶化ガラスは、火災被害を最小限に抑えるという重要な役割を担う防火ガラスとしても高く評価されています。
火災時の高熱に耐え、スプリンクラーや放水などによる急冷にも破壊しない、防火ガラスに最適なファイアライト®や、そのファイアライト®2枚を特殊樹脂で貼り合わせることで、その優れた「耐熱衝撃性」に、衝突などの衝撃に強い「衝撃安全性」を加えたファイアライトプラスネオ®などがあります。
特に、合わせガラスのファイアライトプラスネオ®は、万が一、人や物が衝突して割れても破片の飛散や落下、脱落の心配がほとんどありません。人々の防災意識が高まる中、『火災にも震災にも強い防災ガラス』として社会的な期待が寄せられており、教育施設をはじめ、不特定多数の人が集まる公共施設や駅、ショッピングモールなどで採用が期待されます。
防火ガラス:ファイアライト®
熱膨張係数がほぼゼロのため、800℃に熱して冷水をかけても割れないほど熱衝撃に強い超耐熱結晶化ガラスから成るファイアライト。火災時の高熱、そして消火活動時の放水による急冷に破壊しない、唯一の特定防火設備・防火設備用ガラスです。東京消防庁の火災実験にも採用され、アメリカのUL規格に適合するなど、その高い防火性能が実証されています。防火ガラス:ファイアライトプラスネオ®(特定防火設備・防火設備用ガラス)
800℃に熱した後、冷水をかけても割れないほど熱衝撃に強いファイアライト®を特殊樹脂で貼り合わせることで、衝撃安全性を付与した防火安全ガラスです。生徒たちがアクティブに体を動かす学校や、多くの人が集まる駅舎、公共施設などに最適です。特定防火設備に認定された唯一の合わせガラスなので、防災ガラスとしてもおすすめです。