低温封着用粉末ガラス
ご要望の封着温度と熱膨張係数に対応します
封着用ガラスは低軟化点ガラス粉末と特殊なセラミック粉末をブレンドしたものです。ガラス粉末とセラミック粉末の組み合わせとブレンド比を変えることにより、種々の封着温度と熱膨張係数に対応できます。
特性-1
アルミナ(熱膨張係数が約70×10-7/K)のDIPやQFPにはLS-2010が広く使用されています。特に低温封着が好まれる水晶振動子用のSMDパッケージには封着温度が380℃のLS-1401Sが使用されます。
低膨張セラミックスの窒化アルミ(熱膨張係数 約45×10-7/K)などにはLS-3051Sが使用されます。
シリコンにはLS-1301やBF-0901が使用されます。
適用 | アルミナ | 窒化アルミ、ムライト、シリコン | |||||
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特性/ ガラスコード | LS-1401S | LS-2010 | LS-3051S | LS-1301 | BF-0901 | ||
封着温度 | ℃ | 380 | 435 | 430 | 450 | 560 | |
誘電率 | 1MHz, 25℃ | 45.0 | 12.5 | 16 | 45.5 | 11.1 | |
tanδ | 1MHz, 25℃ | ×10-4 | 38 | 34 | 41 | 60 | 19 |
熱膨張係数 | 30~250℃ | ×10-7/K | 71*1 | 65 | 51 | 41 | 49*2 |
転移点 | ℃ | 258 | 313 | 303 | 315 | 430 | |
軟化点 | ℃ | 355 | 400 | 390 | 390 | 528 | |
密度 | ×103kg/m3 | 7.02 | 5.67 | 5.95 | 6.77 | 4.69 | |
体積抵抗率 Log | 150℃ | Ω・cm | 6.2 | 12.4 | 12.7 | 12.0 | 13.3 |
熱伝導率 | W/m・K | 0.98 | 1.45 | 1.24 | 0.84 | 1.47 | |
比熱 | ×103J/kg・K | 0.34 | 0.41 | 0.38 | 0.35 | 0.46 | |
耐酸性 | 20%H2SO4, 70℃, 1min | mg/cm2 | ー | 0.8 | 1.1 | 0.1 | ー |
10%H2SO4, 20℃, 10min | mg/cm2 | ー | 0.5 | 0.9 | 0.1 | ー | |
10%HCl, 20℃, 10min | mg/cm2 | ー | 1.9 | 2.7 | 0.5 | ー | |
10%HNO3, 20℃, 12min | mg/cm2 | ー | 120 | 120 | 123 | ー | |
色調 | 黒 | 褐色 | 黒 | 黒 | 緑 | ||
組成系 | PbO・B2O3 (複合系) |
Bi2O3・B2O3 (複合系) |
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熱膨張係数は測定範囲30~200℃
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熱膨張係数は測定範囲30~300℃
上記以外の特性、鉛フリー品についてもご相談ください。
使用例
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印刷と乾燥(LS-1401Sは除く)
粉末ガラスにビークルを加え、十分に混錬してペーストを作ってください。ピークルは低分子量のアクリル樹脂をターピネオールに5%溶解させたものが適当です。印刷用スクリーンは、ステンレス製(80~100メッシュ)を使用し、乾燥は120℃で10~20分間行ってください。必要な塗膜厚になるまで印刷と乾燥を繰り返してください。 -
仮焼成
仮焼成は塗膜中の樹脂を除去するために空気中または酸素中で行ってください。アクリル樹脂の分解・焼成は320~380℃で最も活発なので、この温度範囲では昇温速度をゆるやかにしてください。ピーク温度で約10分間保持してください。 -
リード固着
空気中で行い、固着温度で5~7分間保持してください。
なお、ヒーターブロックの場合、ブロック表面温度は固着温度よりも30~50℃高く設定し、保持時間は1~2分が適当です。 -
封着
空気中または窒素中で行い、封着温度で約10分間保持してください。
詳細は、ダウンロード資料をご参照ください。
特性-2
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複合系
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短時間で各種ガラス基板や金属との封着、接着が可能です。
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結晶性
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結晶性ガラスは軟化流動したガラス中に結晶が成長し固化したものです。
再熱加工時での形状維持が可能です。
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特性/ ガラスコード | LS-3075 | LS-3081 | LS-0118 | LS-0206 | LS-7105 | BF-0606 | ||
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封着温度 | ℃ | 450 | 410 | 430 | 450 | 450 | 485 | |
熱膨張係数 | 30~250℃ | ×10-7/K | 36.5 | 74 | 72.5 | 72 | 85* | 73* |
密度 | ×103kg/m3 | 6.91 | 6.89 | 7.05 | 6.82 | 6.37 | 6.05 | |
転移点 | ℃ | 300 | 300 | 317 | 325 | ー | 365 | |
屈伏点 | ℃ | 330 | 320 | 337 | 353 | ー | 393 | |
軟化点 | ℃ | ー | 365 | 390 | 410 | 400 | 450 | |
体積抵抗率 Log | 150℃ | Ω・cm | 10.8 | 12.2 | 11.2 | 13.2 | 10.4 | 12.0 |
色調 | 黒 | 緑 | ||||||
組成系 | PbO・B2O3 (複合系) | PbO・ZnO・B2O3 (結晶性) | Bi2O3・B2O3(複合系) | |||||
適用 | 無アルカリガラス | ソーダ板ガラス、50合金、426合金 |
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熱膨張係数は測定範囲30~300℃
上記以外の特性、鉛フリー品についてもご相談ください。
使用例
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印刷と乾燥
粉末ガラスにビークルを加え、十分に混錬してペーストを作ります。ピークルは低分子量のアクリル樹脂をターピネオールに5%溶解させたものが適当です。印刷用スクリーンは、ステンレス製(80~100メッシュ)を使用し、乾燥は120℃で10~20分間行ってください。 -
仮焼成
仮焼成は塗膜中の樹脂を除去するために空気中または酸素中で行ってください。バインダの分解・焼成は320~380℃で最も活発なので、この温度範囲では昇温速度をゆるやかにしてください。ピーク温度で約10分間保持してください。 -
封着
常圧の空気中または窒素中で行ってください。
詳細は、ダウンロード資料をご参照ください。