耐熱性(歪点)& 軟化点を制御したガラスの開発
ガラスは樹脂に比べて耐熱性が高く、比較的高温の環境下で使用されることの多い材料です。ガラスの組成を調整することにより耐熱性を制御することができ、ディスプレイ基板材料などにはできるだけ高い温度まで変形を生じないガラスが要求されます。
一方、封着用途では封着する材料の耐熱性に合わせた温度で軟化変形するガラスが求められます。当社は高温に耐えるガラスから、低温で封着できるガラスまで幅広いガラス材料を開発し、提供しています。
耐熱性(歪点)を制御したガラス
歪点はガラス中の内部応力を数時間で除くことができる、急冷しても歪みが生じない温度であり、ガラスの粘度が1014.5dPa・sとなる温度に相当します。この温度以下では実質的に熱応力が生じず、耐熱温度の目安となっています。
樹脂に比べて高い耐熱性を有するガラス基板は、比較的高温の熱処理工程で使用されることも多く、熱に耐えるだけでなく寸法変化が小さいことも求められます。例えば、ディスプレイ用基板の製造プロセスでは、ガラスが550~600℃で熱処理される工程があります。そのため、同温度域において寸法安定性の高い、すなわちガラスの構造緩和に起因する熱収縮(コンパクション)の小さい低熱収縮ガラス基板が求められています。当社では、ガラス組成を調整することで、用途に応じてガラスの耐熱性(歪点)を高めた高歪点ガラス(OA-11、OA-20、OA-31)を開発し、提供しています。
また、当社の超耐熱結晶化ガラス:ネオセラム®は、結晶化後の残存ガラスの耐熱性が高まるよう設計されており、耐熱温度が約750~約850℃と非常に高い耐熱性を示し、その特性を活かして調理器トッププレート用途(Stellashine®)や防火ガラス用途(ファイアライト®)に採用されています
軟化点を制御したガラス
軟化点はガラスが軟化変形を始める温度であり、ガラスの粘度が107.6 dPa・sとなる温度に相当します。
封着用途では、封着する材料の耐熱性に合わせた温度で軟化変形するガラスが求められます。当社では、低軟化点ガラス粉末と特殊なセラミックス粉末の組み合わせとブレンド比を変えることにより、種々の封着温度と熱膨張係数に対応した低温封着用粉末ガラス製品を開発し、提供しています。