自然との共生

自然との共生についての考え方と、水の管理、生物多様性への対応の取り組みをご紹介します。

基本的な考え方

当社は自然との共生を大切な価値観として掲げています。事業活動においては、多量のガラス原料やエネルギー、水といった天然資源を消費し、CO2などの排ガスや廃棄物、排水を系外に排出するため、地球環境の保全を常に意識して事業を続けてきました。

当社は琵琶湖周辺地域に複数の製造拠点を置いており、かねてから水に対して特段の配慮を払い、事業活動における水への依存と、排出する水の地域への影響を認識しています。水の使用量削減や適切な排水処理を通じて環境負荷の低減に取り組んできており、持続可能な水資源の確保に向けた活動につなげています。

また、当社は無駄のないモノづくりは経済的にも自然環境にもやさしく、生物多様性の保全にもつながるものと認識し、さまざまな生物多様性の保全への対応を行ってきています。今後も、地球環境の保全を常に意識し、地域の自然環境との共生に取り組んでいきます。

水の管理

当社は、水が貴重な資源であると自覚し、有効かつ効率的に活用するという方針に従って「水」のビジネスプランを2003年度にスタートさせました。「モノづくりのレベルは水の使用量に表れる」との考えのもと、水の管理を、溶融、成形、加工など製造プロセスのあり方への理解と技術・設備の完成度を高める活動として行っています。
海外の事業場では、世界的な人口増加や経済発展などに伴う水の需要増加や、水不足、枯渇、水質汚濁などへの対応のため、良質で潤沢な水の確保と持続利用は重要な課題となっており、この活動をグローバルに展開して取り組んでいます。

また、拠点毎の水事情も考慮する必要があるため、リスク調査を実施して、災害や異常気象などによる給水制限といった水に係る事情の把握や規制などの評価を行っています。リスクの把握においては、WRI(世界資源研究所)のAqueduct Water Risk Atlasの評価も活用し、リスクが高いと判断された拠点については、水の使用量の削減に加えて水の供給確保などの対策を進めています。

ガラス製造においては、溶融・成形プロセスでの冷却や加工プロセスでの洗浄など多くの水を使用することから、当社では、取水(社内に入る水)、排水(社外へ出ていく水)、リサイクル水(社内で使用 / 再利用している水)に区分して管理し、取水量と排水量の原単位を重要な評価指標にして計画を策定し、水の削減に取り組んでいます。事業場内で使用する水は徹底してリサイクルし、排水を場内の処理設備にて適切に処理し、法基準より厳しく設定した水質基準に基づき水質検査を定期的に実施することで、これらを管理しています。なお、2025年度の取水量とリサイクル水を合わせた総使用量におけるリサイクル水量の割合は98%でした。

水のフロー
取水量
排水量
取水源別の内訳
排水先別の内訳

取水量・排水量の削減

当社では毎年、拠点毎に地域の水事情や削減取り組みに基づいた水の削減計画を立案しています。継続して効率的な水活用を推進するため、取水量と排水量について製品販売重量に対する取水量と排水量の原単位(水量m3/販売重量ton)を指標にした削減活動を管理しています。

2004年度以降、ブラウン管から液晶への急激な事業転換により原単位が増加しましたが、2014年度以降、液晶事業での利用効率の向上活動により、原単位の継続的な低下を進めています。

販売重量に対する取水量、排水量の原単位

2025年度は、国内外の生産活動に関わる全ての事業部門での販売重量比の取水量原単位は7.7、排水量原単位は4.7となり、いずれも前年比でほぼ横ばいとなりました。2026年度は生産品種の変更が進み取水量原単位7.8、排水量原単位5.3の計画を掲げて、削減活動を進めています。なお、これらの活動は環境会議で報告され、対策などの審議が行われており、サステナビリティ委員会は活動の進捗を管理しています。

当社では貴重な水資源の持続利用のため、大量に水を使用する溶融・成形プロセスでの冷却用途や、加工プロセスでの洗浄用途での繰り返し利用を推進しています。他の用途でも水の使用目的や要求品位にあわせたカスケード利用や浄化による循環利用により、取水量、排水量の削減を進めています。

生物多様性への対応

当社は、「無駄のないモノづくり」を目指した事業活動は経済的にも自然環境にもやさしく、生物多様性の保全にもつながると認識し、これまで取り組んできました。また、琵琶湖の周辺地域に複数の製造拠点を置いていることから、事業場での自然林の維持や地元の森林保全活動など、さまざまな生物多様性への対応を進めています。

能登川事業場では事業活動に必要な場所以外はありのままの自然を残す、という考えのもと、開設当時からの小川を残し、地域の自然植生を生かした自然林を維持しています。また、事業場内の温室で花苗を育て、地域の緑化にも協力しています。

森林は琵琶湖の水を育む水源かん養機能などの役割を果たすとともに、多くの動植物の生息地となっており、生物多様性の保全に重要な役割を果たします。当社は、J-クレジットの継続的購入や地元の生産森林組合が行う整備作業へのボランティア参加を通して、琵琶湖の水源である森林の保全活動を支援しています。 2021年度には滋賀県と連携し、一般社団法人滋賀県造林公社(理事長:三日月大造氏(滋賀県知事))と「びわ湖・カーボンクレジット」パートナー協定を締結しました。

また、琵琶湖における自然や生物の保全活動や環境学習につながる滋賀県立びわ湖フローティングスクール事業や滋賀県立琵琶湖博物館への支援を行っており、「生物多様性しが戦略2024」にも賛同しています。さらに、半世紀にわたる事業場周辺の川辺林の保全や清掃活動など、さまざまな取り組みを行っています。このほか、滋賀県が主催する「しがネイチャーポジティブ・ネットワーク」にも参加し、地域との連携を通じて知見を深めています。


当社はこれらの取り組みから、2025年度に滋賀県が実施する「令和7年度しが生物多様性取組認証制度」において、最高評価である“3つ星”認証を更新取得しました。

「令和7年度しが生物多様性取組認証制度」において、最高評価である“3つ星”認証を更新取得
「令和7年度しが生物多様性取組認証制度」において、最高評価である“3つ星”認証を更新取得
能登川事業場を流れる黙々川
能登川事業場を流れる黙々川
潜在自然植生の緑道
潜在自然植生の緑道